マール・トラヴィスからチェット・アトキンスへと継承され、完成の域に達するいわゆるギャロッピング奏法(※簡単に言うと、サムピックでのリズムキープと1~3、4弦の高音弦を絡めた複音弦での疾走感溢れるプレイですね。。笑)。
『Gene Vincent & His Blue Caps』は、ジーン・ヴィンセントのバンド、ヒズ・ブルー・キャップスのクリフ・ギャラップの必殺のギャロッピング・ギターが炸裂する傑作中の傑作です。
エディ・コクランがリズム主体の快感だとすれば、ジーン・ヴィンセントとクリフ・ギャラップのコンビネーションはスピード感とエモーションの爆発!ですね(なんのこっちゃ。。。笑)。
「B-I-Bickey-Bi, Bo-Bo-Go」とか「Hold Me, Hug Me, Rock Me」とか、もう鳥肌モノのロックがテンコ盛りで、アルバムジャケもカッコいいです。
ジーン・ヴィンセントはヴォーカルメインでサイドギター的な位置づけですが、なんつっても声がセクシーであのシャウトの瞬間を聴くだけでも金を払う価値があります。
当然ながら、切ない永遠の名曲「Unchained Melody」も勿論入ってます。
ちなみに写真下もジャケがカッコいい『The Screaming End』っていうベスト盤で、こちらもお勧めです。
ジェフ・ベックがクリフ・ギャラップを崇拝しているのは余りにも有名ですが、キース・リチャーズもアートスクール期に最初に組んだのはジーン・ヴィンセントを意識したロカビリー寄りのバンドです(※カントリー寄りのサウンドもかなりやってたようですが)。
同じ米国出身で50年代後半の英国ロックンロールシーンで人気を分け合った盟友、エディ・コクランと同乗した車が大事故を起こし、翌日にエディ・コクランは死亡、ジーン・ヴィンセントは一命を取りとめたってのが、何だか運命的なもんを感じます。
ジーン・ヴィンセントって、あの繊細な感じのルックスがジョー・ストラマーなんかも思い出させて哀しい気分になったりもします。